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    「なぜSNSは「不毛な議論」ばかりなのか…その背後にある心理とは」


    様々な教育目的のために行われる教育ディベート(educational debate)が、単に「ディベート」と呼ばれることもある(狭義のディベート)。特に、教育ディベート関係者の間では、「ディベート」といえば通常は教育ディベートを指す。 教育ディベートでは、その多くが説得力を競い合う競技の形で行われる。競技として行われるディベートを競技ディベート(competitive…
    52キロバイト (7,692 語) - 2023年11月25日 (土) 21:50


    SNSは匿名性があるため、自分の主張を押し通すために無理やり論破する人が多いのかもしれませんね。現実世界のディベートでは、相手の立場も尊重しながら議論を行うことが重要です。

    「議論に強い人」とそうでない人の違いは何か。競技ディベートの世界大会で2度の優勝経験があるジャーナリスト、ボー・ソさんの著書『まずは「聞く」からはじめよう 対話のためのディベート・レッスン』(早川書房)より、訳者・川添節子さんのあとがきを紹介する――。

    ■伝説のディベーターが「良い議論」を問う

    競技ディベートとは、一定のルールに則ってチーム対抗で議論を行ない、勝敗を決めるゲームである。海外では欧米を中心に教育の一環として行なわれているところが多い。世界から参加者を募って開催される国際大会もたくさんある。そうした国際大会の世界チャンピオンと言えば、どんな人物を思い描くだろうか。

    本書の著者は、競技ディベートの世界大会で高校・大学と2回チャンピオンになり、オーストラリアのナショナルチームとハーヴァード大学のチームのコーチも務めた人物だ。ディベート界で彼の名前を知らない人はいないだろう。そんなレジェンドが「議論」について本を書いたと聞けば、おそらく「議論で勝つ」ためのスキルについて書かれたものだと思うのではないだろうか。

    ところが本書はそういう本ではない。原題はGood Arguments、問いかけているのは良い議論とは何かということだ。それは著者によれば、「意見の相違があるほうが、ないよりも良い結果をもたらすように」行なう議論のことである。

    ■相手を論破することは自己満足にすぎない

    私たちは日々、意見の相違に直面している。政治や社会問題といった大きなテーマで対立することもあれば、家族や友達とちょっとしたことで言い争ったりする。だが、良い議論ができれば、意見の相違によってより良い社会、より良い人間関係が築けるのではないか。そして、競技ディベートのスキルは良い議論をするために役立つのでないか。著者はそう主張する。

    議論に勝つのは気持ちがいい。相手を論破するのは、論破する本人にとっても、同じ側に立って見ている人にとっても、おそらく楽しい経験だろう。だが、それによって事態はよくなったか。何のためにも、誰のためにもならないなら、それは自己満足にすぎず、良い議論ではない。

    SNS上の活発なやり取りも、中身を見ればそれぞれが言いたいことを言っているだけで、話し合いの体を成していないことが多い。それどころか各人の怒り――アリストテレスは怒りには喜びが含まれると言っている――が負の連鎖を生み出していることも少なくない。こうした時代だからこそ、異なる意見を上手に言いあうことが求められているのではないだろうか。

    ■世界大会の決勝戦、沸く聴衆

    8歳のときに韓国からオーストラリアに移住した著者は、当初は英語が話せなくて人と議論するのを避けていたが、先生に誘われて参加したのがきっかけでディベートにのめりこんだ。本書は、ディベートから多くを学び、世界の頂点にまでのぼりつめた著者が、自身の半生を振り返りながら、良い議論についてつづったものだ。

    競技ディベートを見たことがないという方は、まずは実際の試合をYouTubeでご覧いただきたい。本書の第5章で描かれている、2016年にテッサロニキで開催されたワールド・ユニヴァーシティズ・ディベーティング・チャンピオンシップ(WUDC)の決勝戦だ。

    試合が始まるまえから会場は沸いている。チームが紹介されるたびに拍手が鳴り響く。向かって左から2番目の席についた著者と相棒のファナーレ・マシュワマ氏は顔を寄せ合い、作戦会議を続けている。

    論題が読み上げられ、一番手の著者はおもむろに立ち上がり、ゆっくりと歩いて演台につく。それまでとは打って変わって静まりかえる聴衆を前に、著者はスピーチを始める。よくとおる低い声で最初はゆっくりと一語一語、聴衆に語りかけるように、主張を伝えていく。

    ■競技ディベートは「知のスポーツ」

    スピーチは次第に熱を増し、途中相手チームから入るPOI(質疑応答)をさばいて観客からは歓声があがる。著者は本文中で、最後は足が震え、声もかすれたと書いているが、見ている限りそんな様子はまったくうかがえない。終始堂々としたスピーチだった。

    そして、マシュワマ氏は演台に立ち、話しはじめるかと思いきや「ちょっと待ってください」と手にしたジャケットを着こみ、時間をかけてメモを並べ替える。そして軽く咳払いをしてから話しはじめ、やや早口で手ぶりを交えながら迫力あるスピーチを繰り広げる。終えたときには盛大な拍手と歓声があがる。そして、結果は本文にあるとおりだ。

    もし言葉がわからなくても、世界最高峰の戦いの熱気が伝わってくるはずだ。競技ディベートが「知のスポーツ」であることを実感してもらえると思う。

    ■エンパシーとシンパシーの決定的違い

    冒頭で述べたとおり、このディベートを教育の一環として取り入れている国は多い。ディベートで勝つためには知識、論理的思考力、プレゼンテーション力のほか、チームで対戦するのでチームワークも必要となる。

    試合形式には、事前に準備してのぞむ準備型と試合当日に論題と立場を与えられる即興型があり、準備型なら調査力、即興型なら瞬発力も鍛えられる。さまざまなスキルが身につくのは容易に想像できるが、より良いコミュニケーションの観点から、ここではディベートで養われるエンパシーと聞く力に注目したい。

    競技ディベートでは、論題に対する各チームの立場(肯定または否定)は指定され、自分では選べない。つまり自分の考えとは違っていても、勝つためには与えられた立場で聞いている人を納得させなければならないのだ。そのためにはエンパシーの力がいる。

    このエンパシー、日本語では「共感」と訳されるが、日本語で共感というとシンパシーを指すことの方が多い。エンパシーとシンパシーは違う。どちらも他者の考えや感情を共有することを指すが、ある程度相手と同じ気持ちになることを前提とするシンパシーに対して、エンパシーは同じ気持ちになる必要はない。求められるのは、理性的に他者を理解しようとする姿勢だ。シンパシーに後押しされて噛み合わない議論が多い今、エンパシーの重要性は増しているように思う。

    ■コミュニケーションの第一歩は「聞く」こと

    もう一つは聞く力だ。競技ディベートには反駁のパートがある。第三者の審判を説得するためには、自分たちの意見を述べるだけではなく、相手の意見に適切に反論する必要がある。

    そのためには、何よりもまず相手の話をよく聞かなければならない。相手の主張を理解せずにやみくもに反論しても誰も説得できないだろう。相手の言うことを聞いて理解する。簡単そうでいて実践するのは難しい。だが、これこそコミュニケーションの第一歩ではないだろうか。このエンパシーと聞く力、今の時代に特に求められているように思う。

    ■日本人にも門戸が開かれている

    翻って、日本のディベート事情はどうだろう。残念ながら、欧米のように普及しているとは言いがたいが、ディベートの普及を目指して活動している団体は複数あり、全国規模で大会を開催しているところもある。

    先人たちの地道な活動が奏功したのだろう、世界大会で活躍する日本人も出てきている。先ほどご覧いただいたWUDCには、オープン部門(英語を第一言語とする話者の部門)、ESL部門(英語を第2言語とする話者の部門)、EFL部門(英語を外国語とする話者の部門)があり、英語圏以外の学生も参加できる。

    言葉の壁もあってなかなかいい成績を収められなかった時代も終わりつつあり、近年はESLやEFLでの上位入賞だけではなく、オープン部門でも決勝トーナメント進出という実績が生まれている。

    さらに、最近注目すべき変化があった。高校の学習指導要領において、2022年度から英語の「論理・表現」という科目が新設され、そのなかの活動例にディベートが含まれることになったのである。今はまだ実践する教育現場は少ないようだが、ディベートには先ほど述べたとおり、さまざまな効用がある。今後はディベートを授業に取り入れる学校が増えるかもしれない。そうなればディベート人口も増えていくだろう。

    ■世界を立て直すための道具にできるか

    では、こうしたディベートが広まれば、私たちは良い議論ができるようになるのだろうか。それは一人一人がどう議論に取り組むかにかかっている。

    著者が言うように、ディベートは人と人の対話というきわめて人間的なものであり、スタートアップビジネスのように「スケール」するものではない。一つ一つの対話を良いものにして積み重ねていくしかないのだ。

    本書の第6章で見たような「いじめっ子」に遭遇することもあるだろう。しかし、不安と不満のあらわれとしての議論から、世界を立て直すための道具としての議論に転換できるかどうかは、私たち一人一人にかかっている。

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    川添 節子(かわぞえ・せつこ)
    翻訳家
    慶應義塾大学法学部卒業。主な訳書にバージス『欲望の見つけ方』、ロブ『夢の正体』(早川書房)、ローゼンタール『奴隷会計』、ローゼンフェルド『給料はあなたの価値なのか』(みすず書房)など。

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    ボー・ソ ジャーナリスト、作家
    韓国系オーストラリア人のジャーナリスト、作家、ディベーター。オーストラリア代表チームとハーヴァード大学ディベートユニオンの元コーチ。2013年にWSDC(世界学校ディベート選手権)で、2016年にはWUDC(世界大学ディベート選手権)で優勝。清華大学で公共政策の修士号を取得。現在は《オーストラリアン・フィナンシャル・レヴュー》の記者をしながら、《ニューヨーク・タイムズ》や《アトランティック》など多くの媒体に記事を寄稿。

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    2013年にWSDC(世界学校ディベート選手権)で、2016年にはWUDC(世界大学ディベート選手権)で優勝したボー・ソさん - 写真提供=早川書房


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    [速報] 「FF14×人気漫画家コラボ投稿の一部が物議を醸す!運営が謝罪のコメント」


    ファイナルファンタジーXIV (FF14からのリダイレクト)
    『ファイナルファンタジーXIV』(ファイナルファンタジーフォーティーン、FINAL FANTASY XIV、FINAL FANTASY XIV ONLINE、略称: FFXIV、FF14)は、スクウェア・エニックスが開発したファイナルファンタジーシリーズのナンバリングタイトル第14作目にあたり、ファイナルファンタジーXI(FFXI…
    170キロバイト (24,753 語) - 2024年1月11日 (木) 22:38


    『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』と人気漫画家とのコラボレーション投稿が物議を醸している事態は、エンターテインメント業界におけるコラボレーションの難しさを浮き彫りにしています。この事例は、コンテンツの感度、ファンの期待との調和、そして危機管理の重要性について考える良い機会を提供します。運営側が謝罪コメントを出すことで、ファンからのフィードバックや懸念に対して真摯に対応しようとする姿勢を示しており、これは他のエンターテインメント関連企業にとっても重要な教訓となります。このような事態は、コンテンツの企画段階から公開後まで、様々な視点からの慎重な検討が必要であることを示しています。さらに、ファンの期待とコラボレーションの内容が適切にマッチするように計画を立てることの重要性も再認識させられます。ファンの期待を裏切らないよう、コンテンツの企画と実行において慎重かつ繊細なアプローチが求められます。最終的に、この事例は、エンターテインメント業界におけるコラボレーション企画の成功には、多様な視点と細心の注意が不可欠であることを教えてくれます。運営側の迅速かつ適切な対応は、将来的な類似の問題を防ぐための重要なステップとなります。

     人気オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」(以下、FF14)は、人気漫画家とコラボしたSNS投稿に「不適切な表現」が含まれていたとして、一部漫画家とのコラボを取り下げると発表しました。

    <実際の謝罪文>

    ●自身の「ネット炎上」に言及で物議

     FF14は1月22日から公式X(Twitter)で、「ポプテピピック」作者の大川ぶくぶさんら人気漫画家4人とコラボした、作品を題材にした漫画を公開。それぞれの漫画家のサイン色紙が当たるキャンペーンも実施していました。

     しかし、一部漫画家のコラボ投稿に、自身の過去の「ネット炎上」に言及する内容が含まれていたことなどが、ファンの間で物議をかもしていました。

     FF14公式Xは24日、「この度のキャンペーンにおきまして、起用した特定の漫画家様のキャンペーン投稿により、一部の方に不快な思いを抱かせてしまう結果となりましたこと、お詫び申し上げます。誠に申し訳ございません」と謝罪。

     その上で「頂戴したフィードバックを確認・検討させていただき、FFXIV公式SNSのキャンペーン投稿において、当該の漫画家様の投稿内容に不適切な表現が含まれていたことから投稿を取り下げました」と報告しました。

     プレゼントキャンペーンについては、「当該の漫画家様を含めない形で継続する」と説明。既に応募済みの人は、あらためて応募する必要はないとしました。また、すでに当該漫画家に応募した人については、24日時点での応募者から抽選するとしています。

     重ねて「あらためまして、本キャンペーンにおける一部の投稿により、不快な思いをされた方には心よりお詫び申し上げます。また、今後のキャンペーンにあたっては、より一層注意して実施して参ります」とコメントしています。

    FF14公式Xアカウント


    (出典 news.nicovideo.jp)

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